シアトルに到着してから数日間はとても疲れていて良く寝ていました。
そしてフト思い立って、10年近くも会ってないオリンピアに住んでいるネイティブアメリカンに詳しい友人に電話したのです。
その理由は滞在中に彼に会うことが出来たら、シアトル周辺のネイティブ文化に関する何かしらの話しや情報を聴けるのではないかと思ったからでした。
そしたら週末の土曜日にオリンピアから車で約1時間の田舎でサンダンスに使われる聖なる樹の解放の儀式と、その後にスェットロッジが行われるから来ないか? と誘われました。
わたしはネイティブアメリカンに関して然程の興味はない人なのです。
今回の滞在は個人セッションやミニワークの他にも、可能な限り様々な場所に出かけることと、コースト側のネイティブアメリカンに関することを可能な限り消化することを目標にしていました。
アトルはコースト側のネイティブアメリカンの文化が今でも残っている土地なので、少しお勉強する必要を感じているのです。
言われたのが木曜日で、金曜日が移動日、そして土曜日が聖なる儀式という超高速のスピードなので即決できませんでした。
行ったことのない土地には行ってみたくなる習性があるのですが、知らない土地に一人で出かける、しかも行き方も良く解らないというシチュエーションは誰にとっても多少の不安を掻き立てるもの。
そこで下調べが重要になって来ます。
その日の内に心を決めてスケジューリングを調整してみることにして、それからオリンピアまでの行き方をGoogleで検索して、バスに乗ってオリンピアまで辿り着けることが判明したので、エイヤっ!と決断してお誘いを受けることにしました。
予想していなかった展開だったのですが、事の成り行きに任せてみようと思ってオリンピアまで出発です。
ワシントン州の首都はシアトルだと思っている方も多いかも知れませんが、実はシアトルから車で約3時間ほど南にあるオリンピアなのです。
オリンピアは車で通り過ぎたことは何度もあるのですが、一度もゆっくりと滞在したことはありません。
オリンピア行きのバスに乗るためにまずダウンタウン隣のパイオニアスクエアまで送ってもらいました。
いつもイサクアへ行くバスに乗るバス停が出発地点だと思ったのですが、いざバス停についてオリンピア行きのバス停を探しても見つかりません。
そこでスマホで再びGoogle検索してみたら、表示されているアイコン表示が、電車とバスになっていました。
先日は気が焦っていたので、とても小さなアイコン表示の微妙な違いまで見ていなかったのです。
電車とバスのアイコンのデザインはパっと見では同じように見えるのですが、良く見入ってみると微妙に違っていて、Googleマップにアイコン表示の違いまで載っているわけもありません。
この電車はサウンダーズという呼び名で、私が住んでいた時には走っていなかったのです。
事前に良く知っていたら迷うことも無かったと思いますが、何分にも知らない範囲のことなので困惑して当然かも知れません。
日本人の観光客の立場として考えてみたら、シアトルも含めたワシントン州の都市というのは、バスと電車、フェリーなどの公共のトランスポーテーション機構が充実しているので、乗りこなせれば移動はそんなに難しくありません。
ダウンタウン近郊に至っては北に位置するクイーンアンから南のパイオニアスクエアとチャイナタウンまで歩いて制覇できる距離だし、バスの便も良いので街内の移動に関する問題や不安は少ないと思います。
後に通勤電車だということと、走っているのは早朝6時台と午後3時から6時台の間までしか運行していない電車だと知りました。
サウンダー・トレインというのは、シアトルからレークウッドの間を走っている電車のことで、この二都市の間にある南タコマ、タコマ、ピュラッルプ、サマー、アーバン、ケント、トゥクイラの駅に停まります。
またシアトルから北に行ったエヴェレット間へも走っていて、この区間ではムキルテオ、エドモンズの駅に泊まります。
サウンダーは基本的に週日の朝と午後しか運行していませんが、マリナーズやシーホークスなどといったメジャーな週末のイベントの際には運行されます。
区間によって金額が変わりますが大人の料金は2.75ドルから5.25ドル。
パイオニアスクエアからサウンダーズに乗ってレークウッドという街まで行き、そこからバスに乗り換えてオリンピアのダウンタウンへ行くという経路でした。
電車に乗るっていっても、一体どこから乗れるの?
出発時間まで10分くらいしかなかったので気が焦っていましたが、すぐに駅を発見。
そこは前の日に パイオニアスクエア近郊の写真を撮影しに来た時に素通りした場所で、私はアムトラックの駅だと思っていたのですが、実はサウンダーとアムトラックの駅は同じ場所にあって、乗り場とプラットホームが違うだけだったのです。
道路の脇には電車通勤の人たちが信号が青に変わるのを待っていました。
電車通勤の方々の流れと一緒に電車の駅に着き、レークウッド行きのプラットホームへ辿り着いたら電車はすでに停車しています。
しかし、どこでチケットを購入するのか解りません。
プラットホームにチケット売り場があるわけでもなく、係の人が立っているわけでもありませんでした。
日本的な感覚だったら駅の中に入る前にチケットを買って、入駅する際に係の人にチケットを渡すなり、機械に通すなりするのが普通なのですが、そういうシステムではないのです。
そしてプラットホームの中で発券マシーンを見つけたので、そこでチケットを購入。
じゃぁチケットは誰に渡すの? とさらなる疑問が湧いて来ましたが、チケット検査官がいるわけでもなく、皆さんスイスイと電車の中に入って行くので、チケットを持ったまま電車に乗り込みました。
きっとサンタフェ行きの電車の中のように「チケット拝見します」と係員の人が来るのではないかと思ったからです。
サンダースの電車は近代的で、二階建て列車なのが凄いと思いました。
景色の良い二階の方へ上がろうと思いましたが、小型の旅行バッグもあり、二階はすでに混雑しているようだったので空いている一階の席に座りました。
一体どれくらいの人々が電車通勤しているのか皆目検討が着きませんでしたが、電車が出発する間際になって次々に人々が乗り込んできて、それまで空いていた席も皆さん相席になっていまいました。
席は余裕のある作りなので、ギュウギュウ詰めな息苦しさは全くありません。
また席によってはテーブルもあるので中にはデスクトップを取り出して仕事をしているビジネスマンや勉強をしている学生さんもいました。
▲こちらがホームにあったチケットの自動販売機
サウンダーのパイオニアスクエア駅はインダストリアル地区に近いので、発進し始めたらスグに貨物列車が停車している場所を何度も通過しました。
電車に乗って移動というのは日本チックな感じを思い出させてくれます。
▲こちらはケント駅
▲こちらはアーバン駅
▲こちらはサマー駅
こういう鉄の橋のある風景はアメリカの映画の中の田舎のシーンを思い出させます。
▲こちらは二階に上がって撮影した二階席の風景
終点のレークウッドまでは景色を楽しんでいたらスグに到着という感じで約1時間というのはアっと言う間に過ぎて行ってしまいました。
レークウッドの駅の不思議なことは、電車を降りたら柵も何も無く、スグ目の前にバス停があって驚きました。
普通だったら駅のプラットホームから出口まで歩いて、チケットを渡すなり出口を潜るという行程です。
電車から降りたらスグに外というのは少し不思議な感じがしました。
こちらがオリンピア行きのバス停で、電車から30秒という間近さだったので電車からバス停までの移動時間というのはホボありません。
電車からバスへの乗り換えと接続状況は素晴らしいと思います。
こちらはバス停の前を走っている道路の風景ですが、とても余裕な街?(笑)
何も無いわけではなく、お店とお店の距離が遠いというか、店の並びが詰まってないので、何も無いように見えるのです。
実際には近くに小さなお店やレストランが点在していたのですが、隣接していないので店から次の店へ移動するのに1分くらい歩くという感じでした。
店やレストランが横詰まりに並んでいる都会の町並みの風景と比べると、敷地的に信じられない程の余裕がある区画なのです。
都心からたったの1時間のアメリカの少し田舎でこの土地面積ですから、本当に田舎に行ったら一体どんなに広いのか想像もつかないというか、本当に広いんだろうなぁと思いました。
▲こちらはバス停の近くに咲いていたブラックベリーの花。
シアトルには都会の街中でも、少し郊外の町や道路脇など、何処でもブラックベリーの樹が植えられているというか、ほぼ雑草状態になっていると思いました。
▲こちらがオリンピア行きの高速バス。
電車からバスへの乗り換え時間も15分くらいだったので、焦る事もなく無事にバスへ乗り換えることが出来ました。
このバスの作りも余裕のレイアウトで、小さなスーツケースを持参していたのですが、スーツケースの持ち込みは全く大丈夫で、席の作りも写真のように余裕でした。
それだけこのバス路線の利用者は旅行者というか、スーツケースと一緒にバスに乗る人たちという状況が多いのだと思います。
この時点で約6時頃だったのですが、レークウッドからオリンピアの間で停車したのは二回くらい・・・。
ホボどこにも停車せずに一直線的に進んで行き、こちらの方もアっと言う間に到着してしまいました。
こちらがバスの車窓の中から撮影したダウンタウン・オリンピアの街なかの風景。
オリンピアはワシントン州の州都ですから、シアトルのダウンタウンのように都会なイメージを持っていたのですが、それは無惨にもひっくり返されてしまいました。
オリンピアは州都であるにも関わらず、かなりの田舎的な雰囲気の街です。
街の中が開発され過ぎていないというのも不思議なもので、シアトル近郊の二次都市であるベルヴュー、レドモンドなどの街の方が断然に開発されてしまっています。
昔のレンガ作りの建物が沢山残っているというのもありますが、きっとオリンピアの街というのは約100年くらい何も大きくは変わっていないのだと思いました。
州都なのにこの余裕というか、自然の多さと建物の少なさは驚きです。
▲こちらがダウンタウン・オリンピアのバスのステーション。
シアトルのパイオニアスクエアから電車に乗って、タコマ市の南のレークウッドで高速バスに乗り換えてオリンピアのダウンタウンまでは約2時間半という短さでした。
こういう電車とバスを乗り継いで移動する小旅行には不思議な面白さがあります。
電車の中で見たケントやアーバンの街も可愛い街の風景で良かったので、今度はそれらの街まで電車で出かけてみたいと思いました。
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